これから准看護学校に通おうと考えている方にとって、准看護師が廃止になるかも知れないなんて聞き捨てならない噂ですよね。
管理人も気になったので本当に廃止されるのかを調べてみました。
准看護師廃止問題にはどのような背景があるのでしょうか?
准看護師資格は昭和26年(1951年)から始まりました。
当時女性の高校進学率は37%だった為、高卒でないと取れない看護婦の絶対数が不足しており、そのために看護婦の補助的役割として中卒で取れる准看護婦資格が生まれました。
他にも、戦後病院が増えていくなかでの看護婦不足を補う為だったとも言われています。
一時期は、看護師の人数よりも准看護師が多かったという時代もあったそうですが、今では高校の進学率は100%に近くなっており中卒で取れるという点は意味をなくしてきています。
昭和26年以前には、乙種看護婦という准看護婦によく似た看護婦制度がありました。
乙種看護婦には一部業務制限がありましたが、准看護師にはそれがありません。
昭和26年当時、よりいっそう看護婦に近い人材を早急に確保しなければならなかったのかな?と感じます。
そして平成となった現代、准看護師廃止問題への流れとは・・・
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昭和26年に議員立法で創設された准看護婦(准看護師)の資格制度は、将来廃止されるべきだとマスコミが報道。
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そんな中平成8年(1996年)に准看護婦問題調査検討会というものが行われました。
この中で准看護婦養成について、「21世紀初頭の早い段階を目途に看護婦養成制度との統合に努める」と提言されています。
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平成9年12月 厚生省健康対策局長と日本医師会長の間とに「准看護婦制度とその養成制度は堅持される」との覚書が交わされてからは、厚生労働省は准看護制度容認の方針に変更。
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平成13年3月 政府の閣議が「准看護師の資格制度の廃止は困難である」との答弁書を了承。
という流れがあったそうです。
日本医師会の反対により、現在准看護師は廃止されない方向に落ち着いているようです。
医師会は准看護師が地域の医療をささえるというページも作成して、准看護師制度への理解を求めています。
実際に准看護学校の約9割は医師会が運営していますし、医師会の反対がある限り准看護師が廃止になる事は難しいのではないでしょうか。
准看護師を完全に廃止するためには、保健師助産師看護師法という法律を改正する必要がありますが、知事資格である准看護師は都道府県単位での停止は行えます。
最近では神奈川県が2013年に准看護師養成所を停止を発表しました。
実は准看護学校がない都道府県は神奈川県だけではありません、福井県と沖縄県にも准看護学校はありません。
日本医師会は何故准看護師廃止を拒むのか?
簡単にいうと医師会は看護師より安い賃金で雇える准看護師という存在が必要なのです。
大きな病院では高度な技術をもった看護師は必要ですが、個人運営の診療所や病院では准看護師しか募集にかけていない病院もあります。
(逆に大きな病院では看護師の募集しか行っていない所もあり、二極化が進んでいるように感じます。)
准看護師の今後
現代の看護は多様化と専門性が進み、看護教育の高度化が必要であるといわれています。
看護学校は、いままで主流であった3年課程の看護師専門学校ではなく、4年制大学への移行が進みつつあります。
よりレベルの高い看護教育を望む看護協会と、地域医療の現場に幅広い働き手を求めている日本医師会。
今後准看護師はどうなってゆくのでしょう。
准看師養成所の校数9年間で37校減少
参考:看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査,衛生行政報告例
准看護師として働いている人数12年間で53,260人減少
参考:衛生行政報告例
現実的には准看後学校の数も人数も年々減少はしていますが、平成26年(2014年)の就業者調査では看護師が1,086,779人に対して准看護師が340,153人となっており、全体の約31%を准看護師が占めています。
おそらく今後准看護師が増える事はなさそうですが、まだまだたくさんの准看護師さんが働いているのも事実です。
ただでさえ不足している看護師です、かりに廃止になったとしても、約34万人いる准看護師免許が剥奪される事はありえないでしょう。
看護師になる為のなんらかの措置がとられるか、そのまま働く事ができるかを選択できるようになるのではないでしょか。
今後もある程度年齢が高くてもチャレンジしやすい准看護学校を受験したいという方もいると思いますし、准看護学校の平均倍率は2010年頃から約3倍となっています。
という感じで、いきなりなんとなく結論ですが、結局の今のところ、准看護師を廃止するという明確な方向性はないようです。
最後に、准看護師廃止問題を調べてみて一番の被害者は、今准看護師として働いている方達じゃなのかなぁと思いました。
2年間しか勉強していない准看護師は危険とか不要だとか、廃止=必要ないみたいな捉え方をしている方もいて、それは違うのではないかと思いました。