患者として病院へ通う私達からはあまり見分けがつきませんが、病院によっては制服の色が違うところもあります。
准看護婦(准看護師)という資格制度は、昭和26年(1951年)4月に議員立法で創設され始まりました。
当時高校卒業者(女性37%)でないとなれない看護婦資格はハードルが高く、そのために看護婦不足が起こるのをさけるために、中学卒業者でも取れる准看護師という制度ができたと言われています。
他には戦後の看護師不足を補うための暫定措置(一時的な)だったともwikipediaに書かれています。
こうして始まった准看護師資格が今も続いているという訳です。
それ以前には准看護婦(准看護師)は存在していたのでしょうか?
それ以前(昭和26年)には、准看護婦によく似た存在の乙種看護婦制度があり、看護婦は、甲種・乙種という2種類に分類されていました。
甲種・・・高等学校卒業後3年間勉強
乙種・・・中学校卒業後2年間勉強
看護婦の需要は当時から多く、教育水準の高い甲種看護婦だけではまかなう事は大変であった為、中学校卒業後からなれる、乙種看護婦が誕生しました。
甲種・乙種看護婦制度の廃止
その後昭和26年に甲種・乙種看護婦制度が廃止され、それと同時に看護婦を助けて看護の総力を構成する要員として、新しく准看護婦制度は導入されました。
当時の乙種看護婦と現在の准看護婦(准看護師)の違いとしては・・・、
乙種看護婦は、「医師、歯科医師または甲種看護婦の指示を受けて看護婦業務(ただし急性かつ重症の傷病者または褥婦に対する療養上の世話を除く。)を行うこと」とあるのに対して、准看護婦(准看護師)は、「医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業する者」となっています。
乙種看護婦には業務制限がありましたが、准看護婦(准看護師)にはありません。
実際に現在の看護師と准看護師では業務内容に違いはなく、ほとんど同じ仕事をしていると言われています。
ちなみに、准看護婦 ⇒ 准看護師に呼び名が変わったのは平成14年(2002年)3月からです。
海外の准看護師事情
准看護師という資格は日本だけのものなの?と思われるかも知れませんが、アメリカにも准看護師が存在します。
詳しくはコチラのサイトにかかれています。
日本ではほぼ同じ内容の仕事をしている看護師と准看護師ですが、アメリカでは看護師と准看護師の業務内容がきっちりと分けられているのだそうです。
そしてアメリカとは対照的にイギリスでは、1990年代から准看護師を廃止するという方向で動いています。
准看護師を一気に廃止するのではなく、新たな准看護師を生まずに准看護師を廃止に持ち込むという取り決めです。